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マンションでもアコギの練習で「うるさい!」と言わせない防音対策6選!

アコースティックギター(通称アコギ)は持ち運びができてアンプも不要、弾き語りや歌の伴奏からソロギターまで幅広い楽しみ方ができる楽器です。
しかしその音量は意外に大きく、マンションやアパートなどの集合住宅では「うるさい!」と騒音問題にもなりかねません。

この記事では意外に大きいアコギの音量を下げる方法やご近所とのトラブルを防ぐ方法まで、実際にマンションの一室でギター教室を運営している筆者が解説していきたいと思います。

ぜひ参考にしてみてください。

〈この記事を書いている人〉 ライター nor

元シアーミュージック講師。
現在はギタースクールを立ち上げ初心者からプロ志向の生徒さんまでギターを指導中。

  • 経歴
    • 立教大学経済学部 卒業
    • シアーミュージック 元講師
    • 個人でギター教室を開講中
    • CDアルバム2枚をリリースしプロとしても活動中
目次

アコギの音量ってどれくらいなのか

まず、アコギの音量がどれくらいなのか実際に測ってみました。
音量が大きくなる固めのピックを使い、思いっきりストロークしてみるとだいたい80dBくらいでした。

比較的静かなアルペジオ奏法でも75dB程度になります。

環境省のホームページを調べてみると80dBはゲームセンター内の音量とされています。

けっこうな音量ですね。
ちなみに私の自宅マンションで無音状態で窓を明けている状態(車などが走っていない状態)が40台後半から50dB程度です。

ピアノの音量が90~110dBと言われていますので、ピアノよりは小さいですが、やはり集合住宅ではご近所さんに気を使う音量と言えるでしょう。

ご近所さんとのトラブルを避けるために

環境省のホームページによると生活騒音のうちの9%が楽器や音響機器となっています。
演奏している自分にとっては心地よい音楽だったとしても、近所の方にとっては、ただの騒音でしかありません。
騒音によるトラブルを避けるためにできることは対策しておきましょう。

演奏する時間帯を制限する

法律で明確に決まっていればわかりやすいのですが、楽器の演奏についての明確な時間制限はありません。
ピアノの演奏時間に関してネットで調べてみると、夜の8時から10時くらいまでとしている方が多いようです。

ちなみに私は自宅マンションの一室でギター教室を運営していますが、レッスン終了時間は午後6時までに設定しています。
10年以上レッスンをしていますが、今までにご近所さんから苦情があったことはありません。

これは私の例でしかありませんが、一つの目安として参考にしてみてください。

ご近所さんに挨拶をしておく

前述の時間制限に加えて、ご近所さんへのご挨拶もしておいたほうが良いでしょう。
自分はギターを演奏する事、夜は何時までに演奏を終えます、といったことをご近所さんへ、きちんと伝えておくことが大事だと思います。
その際に「うるさいと思ったらいつでもお伝えください」と一言添えるのも忘れずに。
私ももちろん両隣のお宅へは挨拶してあります。
このような気配りがトラブルを避けるためにはとても大切です。

気兼ねなく演奏する場所を見つけよう

自宅での対策以外に、まわりに気兼ねなく演奏・練習する場所を見つけるという方法もあります。
いくつかご紹介しておきましょう。

屋外で演奏する

住んでいる場所や環境にもよりますが、屋外で練習するというのも方法の一つです。
広い公園や河川敷などが近くにあれば、アコギを外へ持ち出して気兼ねなく演奏してみてはいかがでしょうか。
私もアコースティックギターデュオのリハーサルを近所の公園でしたことがあります。
小さいお子さんなどオーディエンスが現れたりして、ちょっと恥ずかしかったですが。

また近所に大きな河川敷があるのですが、そこでは管楽器やパーカッションなど、かなり音量の大きい楽器を練習している方をよく見かけます。
近所にそのような場所があれば気晴らしにもなりますし良い練習場所になると思います。

カラオケボックスを使う

私も演奏活動をする中で、よくカラオケボックスを使います。特にボーカルとデュオなどの小編成でのリハーサルに利用しています。
価格も音楽スタジオを使うより安く、下手をするとスタジオよりも広い環境で思いっきり演奏することができるのでお勧めです。
最近は一人カラオケの需要が高いせいもあってか料金もとてもリーズナブルなので、人目を気にすることなく思いっきり練習したいという場合にはおすすめです。

ただしカラオケボックスの場合は音楽スタジオほどの防音はされていないので、隣の部屋の熱唱が聞こえてきたりしますが、それはご愛嬌ということで。

音楽スタジオの「個人練習」を利用する

カラオケボックスよりもコストはかかりますが、音楽スタジオの「個人練習」を利用するというのも手です。
「個人練習」はスタジオによっても異なりますが、1~2名の利用で、前日の決まった時間からの予約で、一時間当たり千円程度で利用できる仕組みです。


音楽スタジオであれば楽器のレンタルを行っていることろも多いので、仕事帰りなどに手ぶらで行けて思いっきり演奏できるのが魅力ですね。

また最近では個人練習用のスタジオや、一人で練習する専用の部屋を設けているスタジオも増えています。

私もレッスンで個人練習用のスタジオを使うことがありますが、1時間千円程度で楽器もレンタルしているので、とても重宝しています。

アコギの音量対策6選!

今まで、演奏時間の制限やご近所さんへの挨拶、演奏場所といった点を上げてきましたが、アコギそのものの音量を小さくすることもできます。
ほとんど費用のかからないものから、ある程度の出費が必要な方法まで色々な方法があります。

ここではアコギの音量を抑える方法をいくつかご紹介し、その効果についても解説していきたいと思います。

なお実際の音量はiPhoneの無料アプリ「音メートル」を使って測定しています。

それではお勧め順に6つ紹介していきたいと思います。

サイレントピックを使う

市販されているギターの消音グッズに「サイレントピック」というものがあります。
ピックの厚みが極限まで薄く、柔らかい素材で作られており消音効果はかなり高く私も所有しています。

強めにストロークをした場合のアコギの音量は先ほどご紹介した通り80dBくらいですが、サイレントピックでは60dB台に抑えられます。

しかも高音弦から低音弦までむらなく鳴ります。

サイレントピックは3枚セットで550円(税込み)で販売されており楽器店やインターネットでも簡単に入手できます。

¥550 (2021/06/15 22:12時点 | Amazon調べ)

ただしメーカーも「ストローク専用」と謳っている通り、短音弾きには向きません。
そもそも短音弾きは大きくても60dB程度なので短音弾きには普通のピック、ストロークの練習時にはサイレントピックと使い分けるのがよいでしょう。

個人的にはピックが弦を通過する感覚があまり得られないので、あくまでも夜など音量が出せない時の練習用と割り切るのが良いと思います。

下記の動画では、普通のピックを使った場合とサイレントピックを使った場合の音量さを検証していますので、ぜひ参考にしてみてください。

なお、このサイレントピックは効果が大きく、価格も手ごろなので、生徒さんにも練習用としてお勧めしています。

市販の弱音器を使う

私がギターを始めた40年くらい前から市販されている「弱音器」というグッズがあります。
これはギターのブリッジ付近に取り付けることでスポンジ素材が弦の振動を抑える働きをするようになっています。

価格は600円程度で、同じ原理を使ったグッズがいくつかのメーカーから発売されています。メーカーにより価格は異なりますが、高くても900円程度で手に入ります。

効果のほどはというとサイレントピックまでとはいかず、広域が抑えられサステインが無くなるといった感じです。
ピックが弦を通過したときのアタック音は、それなりに出てしまうので、音量を測定したところ70dBの後半といったところです。


ただしサイレントピックがストローク専用なのに対して、弱音器の場合は奏法を選びません。
短音弾きでも指弾きでも使えますので、その点では便利な方法だと思います。

世界初の弦楽器用ミュートと謳われているグラント社の弱音器はコチラからご購入いただけます。

サウンドホールカバーを使う

サウンドホールとはアコギのボディ中央に空けられた円形の穴のことです。

サウンドホールカバーとはその名の通り、サウンドホールに蓋をする樹脂製のカバーのことです。


サウンドホールカバーの主な目的は、ライブ会場やスタジオなどでアンプやPAを通して大きな音を出した際のハウリング防止のためです。
そのため消音効果は薄く、私が計測した値ではサウンドホールカバー無しの状態に比べて、2~3デシベル程度下がってしか下がっていませんでした。

元々の目的が消音、防音ではないので仕方ありませんが、効果は0ではないので次に紹介する「薄いピックを使う」などと組み合わせて対策するのが良いかと思います。


価格は500円台から1,000円未満で、ネットでも楽器店でも手に入ります。
購入に際して注意すべき点は、そのサイズです。ギターのメーカーやモデルによってサウンドホールの大きさや形状は様々なので、サイズ、形状に合ったものを購入してください。

ちなみに私はヤマハのエレアコを使用していて、サウンドホールが楕円状になっているため、専用のものが付属しており、それを使用しています。

一般的な40 / 41インチのギター用のサウンドホールカバーはこちらで購入できます。

サウンドホールのサイズをよく確認してから合うかどうかよく確認してください。

薄いピックを使う

ギターという楽器は使うピックによっても音量が変わります。
市販されているピックには薄いものから分厚いものまであり、それぞれ奏法や音色も変わってくるのですが、Thinと書かれた薄いピックは分厚いピックに比べて数デシベルですが音量が下がります。

強めのストロークでじゃかじゃか弾くときなど薄いピックを使うと良いでしょう。

私も夜にアコギを演奏するときは薄いピックを使っています。

ちなみに私が使っているのはHistoryのおにぎり型のThinです。
このピックは爪に近いというウルテム素材でできており、指で持った感覚がとても良く、音もきれいな高音が気持ちいいです。

特にストロークしたときの音がサクサクとしてとても気持ち良いサウンドなので、ライブやレコーディングでも使っています。

全く同じものをご紹介しようと思ったのですが、アマゾンでは在庫切れで入荷のめどが立っていないということでした。

なので、同じウルテム素材でできているThinのTAKAMINE P5をご紹介しておきます。

サイレントギターを使う

そもそもギターという楽器は、弦を振動させボディでその振動を増幅させて音を出す楽器です。
ヤマハから発売されているサイレントギターはボディそのものを無くしてしまえという発想から作られた楽器です。

生で演奏したときの音量はボディに空洞がないエレキギターと同等レベルです。

エレキギターをアンプ無しで強めに演奏したときの音量は60dB程度なので、いかに音量が抑えられているかがご理解いただけると思います。

また、このサイレントギターは利点は通常のアコギを演奏する場合と変わらない演奏感が得られるところです。

生徒さんが所有しているので、私も弾かせてもらったことがありますが、持った感じや弦を弾く感覚などは、生のアコギのそれと変わりません。

さらに音量は低く抑えられているので、アコギの防音対策としては、これ以上のものはないと言えるでしょう。

ヤマハのサイレントギター「SLG200S」は67,800~68,000台で販売されています。

ちなみにアマゾンでは送料無料で6万円台で販売されています。


防音対策としてコストが低いとは言いませんが、一流のプロギタリストも愛用しているモデルと全く同じ楽器をこの価格で購入できると考えれば高いとは言えません。
しかも騒音防止もできるのであれば一石二鳥です。

全国の楽器店さんでだいたい置いてあるモデルですから、一度試奏だけでもしてみてはいかがでしょうか。


下記の動画では世界的に有名なギタリストであるリー・リトナーさんがライブでサイレントギターを使用しています。

ティッシュでミュートする

これはコストのかからない方法ですが、ティッシュペーパーをギターのブリッジ部分の弦とボディの間に詰めると消音効果が得られます。


最大音量はミュートしない80dBに対して70dB台の後半くらいには下がります。
特に耳障りな広域の成分がカットされ、サステイン(音の伸び)が無くなりますので、耳で聞いた感じは数値よりも大きく消音されて聞こえます。

ただし消音器と同様にアタックの音は、それなりに出てしまうので、あまり大きな消音効果は期待できません。

また、1回練習するとティッシュがほつれてギターも床も汚れてしまうのであまりおすすめではありません。

どうしてもうまくいかなかったら

ここまで書いた方法を実践していれば、音量も小さくできるはずです。
ただ、どうしても音が小さくて逆にストレスを感じた場合は、シアーミュージックの練習室もオススメです。

私が講師を勤めていたシアーミュージックでは、レッスンを受けられるだけではなく、練習室もあります。シアーミュージックだとこのようなメリットがあります。

  • 曜日や時間帯、レッスンの回数に縛られずに学びたい
  • 自分のレベルに合ったレッスンを受けたい
  • 一度無料でレッスンを体験してみたい
  • 無料で練習室を使いたい
  • 音楽仲間がほしい
  • 様々な楽器や歌のジャンルに挑戦したい
  • オーディションや大会に出たい
  • できればプロになりたい

初回は無料で受講することもできますので、良かったら申し込んでみてください。

まとめ

さて、この記事ではマンションやアパートでも、アコギが「うるさい」と言われずに演奏する秘訣や具体的な対策方法をご紹介してみました。

私、個人の対策としては短音弾きの場合はサウンドホールカバーを取り付けて薄いピックを使用しています。

また強めにストロークをする場合はサイレントピックを使用と奏法により使い分けています。

また生徒さんにも、この方法をお勧めしています。

今までご紹介してきたように様々な方法がありますので、ご予算と環境に合った方法を試したり組み合わせて見ると良いと思います。

アコギは他の楽器に比べても手軽で様々な楽しみ方ができる素晴らしい楽器だと思います。
上手に騒音対策をして快適なアコギ生活が送れることをお祈りしています。

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