私はギター講師として10年以上で300人以上の生徒さんにレッスンをした経験があります。そんな中で、良く聞かれるのが「どれくらいで弾けるようになるか」ということです。
また「自分は上達が遅いのではないか」と悩みを持つ方もいらっしゃいます。
この記事では、実際に私のレッスンで生徒さんが弾けるようになった期間をご紹介していきます。
また、併せて上達するための効果的な練習方法やお勧めの楽曲もご紹介などもしていきたいと思います。
元シアーミュージック講師。
現在はギタースクールを立ち上げ初心者からプロ志向の生徒さんまでギターを指導中。
- 経歴
- 立教大学経済学部 卒業
- シアーミュージック 元講師
- 個人でギター教室を開講中
- CDアルバム2枚をリリースしプロとしても活動中
ギターって比較的簡単に弾けるイメージがあるけど実際にどれくらいの期間で弾けるようになるのかな?
なかなか難しい質問ですね。私はたくさんの人にレッスンをしてきましたが、上達するスピードは人によってけっこう変わってきます。
どうして人によって上達するスピードが違ってくるんですか?
それは人によってギターに対するモチベーションや練習できる時間などが違うからです。
モチベーションが高くてたくさん練習する人の上達が早いってこと?
そうです。例えば社会人で趣味としてギターを始めたけど仕事が忙しくあまり練習できない!という人よりも、プロを目指してギターを弾きたいから朝から晩まで練習します!という学生さんではだいぶ上達のスピードが違います。でもそれだけではありません。
他には、どんな違いがあるの?
例えばギター以外の楽器の経験がある人は、ギターの上達が早いです。また年齢も若い方のほうが上達が早い傾向にあります。また弾けるという定義によっても結果は変わってきます。
弾けるという定義とは?
例えば「アコギのコード弾きで好きな曲を弾きたい」という人とってはそれが「弾ける」ということですし、エレキでバリバリの速弾きをしたいという人にとっては、それが「弾ける」ということなので、その目標に到達する時間も変わってきます。
なるほど、それで「弾けるようになる期間」は人によって様々なんですね。
その通りです。また例えば「アコギのコード弾き」と言っても、曲の難易度や奏法によっても目標に達するまでの時間は変わってきます。この記事では「アコギのコード弾き」を例にとって実際の例を紹介しつつ上達の秘訣や練習にお勧めの曲などを紹介していきたいと思います。
実例!弾けるようになった期間
さてここでは、まず私の生徒さんがアコギのコード弾きをどのくらいの期間で弾けるようになったかをご紹介しましょう。
マンドリン経験者で1カ月
これは私がレッスンした生徒さんの中で最も早く上達した生徒さんの例です。ギター以外の楽器の経験者、しかもギターと同じ弦楽器であるマンドリン経験者の生徒さんです。
初めての課題曲は生徒さんが好きなテイラースイフト「Stay beautiful」にしましたが、1カ月で弾けるようになりました。
課題曲にFなどのバレーコードが無かったこと、テンポもゆっくりだったことも上達に関係していると思います。
今はバレーコードに挑戦するために他の楽曲を練習中です。
ピアノ経験者の20代女性が2カ月
小さいころにピアノを習っていた20代の女性でしたが、ギター演奏へのモチベーションが高く、練習もまめにしてくれました。
課題曲を生徒さんが好きなスピッツ「チェリー」にしてレッスンを開始しましたが、2ヶ月で弾けるようになりました。
若い女性には小さいころにピアノやエレクトーンを経験している人が多く、手を使って音を出すということに慣れているようです。
弦楽器でなくとも、他の楽器の経験者は上達が早いですね。
楽器未経験の40代男性が3カ月
音楽はもっぱら聞くほうで楽器には触ったことのないという40代の男性のケースです。
お好きな弾き語りアーティストの曲で簡単な曲を耳コピして課題曲にしました。
Fコードがなかなかうまく押さえられずに苦労しましたが、3カ月で課題曲をクリアしました。
好きなアーティストさんの楽曲を課題曲にしたことがモチベーションに繋がったと考えています。
楽器未経験の30代男性で6カ月
こちらも楽器未経験の30代男性でした。好きなアーティストの曲が難しい曲ばかりだったのでスピッツのチェリーを課題曲にしてレッスンしました。
仕事が忙しくあまり練習時間が取れなかったこともあり、だいぶ時間がかかってしまいました。
「チェリーが弾けたら好きなアーティストの曲をやる」ということをモチベーションに練習を頑張ってもらいました。
以上のように、同じアコギのコード弾きでも、上達への時間が変わってくるのがお分かりいただけると思います。
上達を早める練習方法
次に上達が早くなる効果的な練習方法をご紹介していきたいと思います。
簡単な曲から始める
いきなり難しい曲から始めるのは挫折の危険性を高めます。コードが簡単でテンポも早くない簡単な曲から取り掛かると良いでしょう。
カポタストを積極的に使って簡単なコードで弾く
コードが少なくテンポもゆっくりで簡単そうな曲に聞こえてもキーによっては難しいコードだらけにという曲もあります。このような場合にはカポタストを使って簡単なコードに変換して練習すると良いでしょう。
カポタストは下記のように片手で操作できるタイプのものがおすすめです。
ゆっくりな一定なテンポで練習する
まずはゆっくりなテンポで練習することをお勧めします。ただしゆっくりなテンポで練習していると得意なところは速く弾いて、苦手なところはゆっくり弾いてしまうという癖がつきやすいです。
このような場合はメトロノームを使ったり、曲をスロー再生したりして一定のテンポで練習すると良いでしょう。
曲をスロー再生するアプリは無料のものから有料のものまで、いろいろあるので「スロー再生 音楽」で検索してみると良いでしょう。
ちなみに私は「mimiCopy」というアプリを使っています。
好きな曲で練習する
なるべく好きなアーティストやギタリストの曲で練習することをお勧めします。そのほうがモチベーションを保ちやすいからです。
私も初心者の方にレッスンをする場合は、まず生徒さんの好きなアーティストや楽曲を教えてもらいます。
そして、その中から簡単な曲を見つけてレッスンを開始しています。
こうすることで途中で飽きたりせずにモチベーションを保ちながら練習できるのです。
プロにレッスンを受ける
もちろん独学でもギターは弾けるようになります。私も中1でギターを初めてから簡単なアドリブができたり、バンドでギターパートを弾けるようになるまでは独学でした。
でも社会人になって仕事もあってなかなかギターに時間を割けない場合などレッスンのプロに習うという手があります。
チューニングの仕方からピックの持ち方から始めて、正しい指使いや腕の振り方、課題曲の選定など、あなたに合った指導をしてくれるプロを見つけると良いでしょう。
初心者におすすめな練習曲
先ほどの章では上達を早める練習方法をいくつか挙げましたが、初心者にとっては、どの曲が簡単か分からないと思います。
そこでここではコードの数が少なく、カポを使えば簡単なコードだけで弾ける曲をご紹介しましょう。
スピッツ「チェリー」
この曲のキーはCで、出てくるコードもC、G、F、Am、Emの5つだけです。
みなさんFコードで苦労しますが、Fコードのようなバレーコードは、どんなキーにも1つはでてくる必須コードです。
他のコードが簡単なので、Fコードに集中して練習することができます。
原曲の雰囲気を出すためには、右手のハネた16ビートのストロークが必要になります。
初心者の場合は1拍にダウンストローク1回の省略したリズムで練習すると良いと思います。
ゆず「栄光の架け橋」
ゆずの代表曲の一つと言える大ヒットナンバーです。
キーはシャープが4つ付くEで、一見難しそうですが4フレットにカポタストを付ければキー=Cにして弾くことができます。
出てくるコードはC、G、F、Am、Em、D7、E7の7つです。
F以外はバレーコードではなく比較的簡単なコードです。
テンポもゆっくりで右手は4分のダウンストロークだけでも、曲の雰囲気が出せます。
あいみょん「マリーゴールド」
あいみょんの大ヒット曲です。
この曲のキーはシャープが2つ付くDですが2フレットにカポを付ければキーがCになります。
出てくるコードは意外にも少なくC、G、Am、Em、Fの5つだけです。
F以外のコードは簡単なコードなのでFコードの練習に集中できます。
またテンポも比較的ゆっくりなので、右手のストロークはダウンストロークの4分で始めると良いでしょう。
テイラースイフト「Stay beautiful」
洋楽からも初心者にお勧めできる曲を紹介したいと思います。
グラミー賞受賞アーティストであるテイラースイフトのヒット曲「Stay beautiful」は初心者にもってこいの楽曲になっています。
この曲のキーはA♭ですが、カポを1フレットに付ければキー=Gで弾くことができます。
しかも登場するコードはG、D、C、Em、A」の5つだけでFのようなバレーコードもありません。
テンポがゆっくりで原曲の雰囲気を出すためのストロークパターンも難しくないので、初心者にはぴったりの楽曲と言えるでしょう。
ビートルズ「Let it be」
あまりにも有名なビートルズの代表曲の一つです。
この曲は発表当時「ピアノの練習曲」と揶揄されたくらいシンプルなコード進行となっています。
キーはCで出てくるコードはC、G、Am、Fの4つだけです。
テンポもゆっくりなので、Fコードさえ攻略してしまえば初心者でも簡単に弾けるでしょう。
上達の早い人の特徴
最後に私がレッスンを通じて思う、上達の早い人の特徴をご紹介したいと思います。
ギター上達へのモチベーションが高い人
「ギターが弾けるようになりたい!」というモチベーションが高い人や「この曲が弾けるようになりたい!」という目標が明確な人は上達が早いです。
モチベーションが高いので練習もしますし、練習すれば上達するといった良いサイクルにはまっている人は上達が早いですね。
定期的に練習できる人
私の経験では1週間に一度1時間練習する人よりも、毎日10分ずつ練習できる人のほうが上達が早いです。
社会人で仕事が忙しいという人は、なかなか練習する時間も取りにくいと思います。
しかし、そんな中、短い時間でも毎日ギターに触ってあげるつもりで練習していると上達は早くなります。
良く質問する人
レッスン中によく質問してくる人は上達が速いです。
質問が出てくるくらい自分自身で研究したり練習している証拠だからです。
レッスンしていて講師である私が「これは次のステップかな」と思っていることを質問してくるような生徒さんがいらっしゃいます。
そういった生徒さんは自分が上達して次のステップへ進むイメージができているんだと思います。
素直に言ったことを実践できる人
レッスンではコードチェンジのコツやコードをきれいに鳴らすためのコツを教えるようにしています。
このコツを素直に聞いて実践しようとする人は上達が速いです。
せっかくコツを丁寧に教えても、いざ実践となるとそれを忘れて弾いてしまう生徒さんもいらっしゃいます。
一方で、コツを掴むのに時間がかかったとしても、それを実践しようと努力する生徒さんのほうが長い目で見ると上達が早いです。
楽器の経験がある人
これは努力や練習ではどうにもなりませんが、ギターでなくとも他の楽器の経験がある人は上達が早いです。
特に女性の方は小さい頃にピアノやエレクトーンを習った経験のある人が多いです。
このような方は手を使って楽器を鳴らすということを行っているので、その経験が生きるのだと思います。
どうしても限界を感じたら
ここまで書いた練習をしっかりしていけば、ソロギターにもチャレンジできるはずです。
ただ、どうしても一人で限界を感じてみたら、レッスンを習ってみるのも良いでしょう。
私が講師を勤めていたシアーミュージックでは、生徒のレベルに合わせ、オーダーメイドのレッスンを行っています。たとえば、シアーミュージックだとこのようなメリットがあります。
- 曜日や時間帯、レッスンの回数に縛られずに学びたい
- 自分のレベルに合ったレッスンを受けたい
- 一度無料でレッスンを体験してみたい
- 無料で練習室を使いたい
- 音楽仲間がほしい
- 様々な楽器や歌のジャンルに挑戦したい
- オーディションや大会に出たい
- できればプロになりたい
生徒さんからもこのような声を頂いております。
現役で演奏活動をされている方が講師をされていたので、演奏法だけでなくステージでの振る舞いなども教えてもらえました。
練習ブースが狭いのが気になってしまいましたが、指導は丁寧でよかったです。
(校舎でのアンケートより)
独学に限界を感じて入会しました。先生が細かくフォームをチェックしてくださり、ほめてもらえるのでやる気が出ました。
男性の講師でしたが、ゆっくり丁寧に教えてくださるので非常に助かっています。レッスンはボイスレコーダーで録音させてもらえます。
(クラウドワークスでのアンケートより)
初回は無料レッスンもやっていますので、良かったら申し込んでみてください。
まとめ
いままで解説してきたように、コード弾きで1曲通して弾くという目標をクリアするにも、人によってかかる時間は様々であることがわかります。
また、ギターを初めて半年経っても弾けないという場合は課題曲選びや練習方法、練習時間に問題があるのかもしれません。
この記事を参考に課題曲選びや練習方法を再考してもらうのも良いと思います。