ギターを始めて半年で達成できるレベルとしては、アコギであれば簡単な曲のコード弾きができれば十分だと思います。
また、エレキであれば簡単な曲のリズムパートやイントロなどの簡単なリフが弾ければOKでしょう。
私はギター教室を10年以上運営していて今まで200人以上の生徒さんにレッスンしてきましたが、ギターを始めて半年のレベルとしてはこれで十分だと感じています。
一方で上達の速度は人によって様々です。練習時間やモチベーション、目標によって変わってくるからです。
この記事では具体的な例を挙げつつ半年でどれくらい上達できるかをお伝えし、うまくいかない場合の対処方法をお教えしたいと思います。
元シアーミュージック講師。
現在はギタースクールを立ち上げ初心者からプロ志向の生徒さんまでギターを指導中。
- 経歴
- 立教大学経済学部 卒業
- シアーミュージック 元講師
- 個人でギター教室を開講中
- CDアルバム2枚をリリースしプロとしても活動中
ギターを始めて半年たったらどれくらい弾けるのかなあ?
その人の練習時間や目標によって変わると思いますが、アコギなら簡単な曲が1曲通してコード弾きできるくらい。
バンドでエレキなら、リズムギターのパートやイントロなどの簡単なリフが弾ければ十分でしょう。
もし、そこまでのレベルに達していなかったら?
その場合はいきなり難しい曲に挑戦してしまったり、間違った練習方法をしているか、練習時間が足りないかのどれかでしょう。
そういう場合はどうすればいいの?
考えられる方法はいくつかあります。では実際のケースをご紹介しながら、その対処方法もお教えしましょう。
半年でこれだけできれば十分
私がレッスンをしてきた経験、自分自身がギターを始めたときの経験から言える「半年でこれだけできれば十分」と思う演奏レベルをご紹介します。
アコギで簡単な曲のコード弾き
アコギの場合、C、G、Am、Emなど等の簡単なローコードが押さえられて、さらにF、Bmといったバレーコードも克服し、簡単な曲をストロークで1曲弾ければ十分でしょう。
私が初心者の生徒さんにおすすめする曲はスピッツの「チェリー」や、あいみょんの「マリーゴールド」などです。
こういったキーがCやG、もしくはカポを付けてCまたはGのキーにして弾ける曲を右手のストロークに合わせて1曲通して弾ければ十分だと思います。
下記の動画では初心者が「マリーゴールド」に挑戦していますが、これに右手のストロークを入れてリズムよく弾ければOKでしょう。
エレキで簡単な曲のリズムギターパート
エレキギターであれば簡単な曲でコードのストロークやアルペジオなどが中心のリズムギターパートを1曲通して弾ければOKでしょう。
例えば有名なASIAN KUNG-FU GENERATIONの「ソラニン」。
この曲のリズムギターパートは開放弦を使った特殊なコードを使っていますが、コードの押さえ方、ミュート、ストロークなど基本を押さえていれば弾けると思います。
下記の動画では宮崎あおいさんバージョンのリズムギターが紹介されています。
これができればギターを始めて半年で十分でしょう。
エレキでイントロなどの簡単なリフ
エレキギターのギターソロなどは、半年では難しいと思いますが、イントロや間奏などの簡単なリフは弾けるようになると思います。
例えばスピッツの有名曲「空も飛べるはず」の印象的なイントロはCメジャースケール(ドレミファソラシド)でできています。
テンポもゆっくりで、初心者でも弾きやすいフレーズです。ギターを始めて半年の人でも、これが弾ければ十分だと思います。
ただし中間のギターソロはちょっと難しいですね。
具体例:半年で達成できるレベル
次に私が実際にレッスンを行った生徒さんが、半年でどれくらい弾けるようになったかをご紹介しましょう。
弦楽器経験者の20代女性
20代女性のAさんは学生時代にマンドリンを経験している方です。
マンドリンはコードを弾くことはあまりありませんが、左手で弦を押さえ、ピックを使って弦を弾くという点では共通点があります。
Aさんは初めてレッスンにいらっしゃった時点でC、G、Am、Emといった簡単なローコードはきれいに押さえられていました。
Fなどのバレーコードは、まだ上手く抑えられていなかったのでG、D、C、Em、Aの5つのローコードだけで弾けて、Aさんが好きなだというテイラースイフトの作品を課題曲にしました。
まず、右手のストロークとそれに合わせたコードチェンジの練習を開始したところ一ヶ月で課題曲をクリアできました。
2ヶ月目ではバレーコードであるBmを含む曲にステップアップし、3カ月目でFコードにチャレンジしました。
半年たった今ではF系、B系どちらのバレーコードもマスターし、Aさんが好きだというB’zの曲も難なく弾けるようになりました。
Aさんはマンドリン経験者ということで、私が今までレッスンした中でも抜群に上達の速い人でした。
楽器未経験者の40代男性
楽器は全くの未経験であるBさんは趣味としてギターを嗜みたいということでレッスンにいらっしゃいました。
一ヶ月目はC、G、Am、Emといった簡単なローコードを鳴らすことから始めました。
二ヶ月目目はFコードを課題にして、スピッツの「チェリー」のコードチェンジに挑戦しました。三か月目にして右手のストロークを1拍に一回ならしてチェリーが弾けるようになりました。
2曲目はBさんが好きなサザンの「いとしのエリー」を課題曲にしてレッスンし、1ヶ月でマスターしました。
半年後にはBさんが好きだというスガシカオさんの曲を課題曲にして16ビートのストロークに挑戦しクリアするほどになりました。
また短音弾きにも挑戦したいということで、スピッツの「空も飛べるはず」のメロディーを課題曲にして練習したりもしました。
Bさんはギターへのモチベーションが高く、忙しい仕事の合間を縫って練習してくれたからこそできたことだと思っています。
プロを目指す男子高校生
プロになりたいという高校生のCさんはギターへのモチベーションが高く、レッスンに来た最初からコード弾きはできていました。
ギターソロを弾きたいということだったので、最初はCメジャースケールの上昇下降から初めました。
次にギター特有のテクニックであるハンマリング、プリングオフ、チョーキングをマスターするためにビートルズの「Let it be」のギターソロを課題曲にしました。
チョーキングには時間がかかりましたが、2ヶ月ほどでクリアしてしまいました。
さらにオアシスの「Don’t Look Back In Anger」に挑戦して1カ月程度で弾けるようになりました。
レッスンを開始した半年後には、ペンタトニックスケールを使ってのアドリブに挑戦しています。
Cさんはとても練習熱心で、部活もやめてギター漬けの日々を送っています。
豊富な練習量と高いモチベーションが短期間での上達につながったと思います。
上手くいかない場合の原因
前の章では上手く上達できたケースを具体的に挙げましたが、上手くいかなくてレッスンに来るという生徒さんもたくさんいらっしゃいます。
そんな経験を通じて感じる「半年たっても上達しない」原因を挙げてみましょう。
いきなり難しいことに挑戦してしまっている
好きなアーティストの曲だから、弾きたい曲だからと言って、初心者にはハードルが高い曲に挑戦してしまい挫折するケースがあります。
何事も基本があるようにギターも例外ではありません。
- メジャースケールも弾けないのに憧れの早弾きに挑戦してしまう
- 好きな曲だからと言って難しいキーでバレーコードだらけの曲にチャレンジしまう
など、基礎をすっ飛ばして難易度の高いことに挑戦するのは良い練習方法とは言えません。
間違った方法で練習してしまっている
これもよくあるケースをご紹介しましょう。
- 効率の悪い運指で練習してしまいスムースに弾けない
- ミュートができていなくてコードや単音が濁っている
- オルタネイトピッキングを知らずに全部ダウンピッキングで弾いている
これらは間違った練習方法で練習してしまっているケースです。
上記のような間違った方法で練習し続けても、それ以上の上達は望めません。
正しい方法に直して順序よく練習する必要があるでしょう。
練習時間が足りない
これは文字通り練習する時間が足りていないケースです。
例えばレッスンに通ったとしても、それ以外の時間全く練習をしないのでは上達は望めません。独学の場合ならなおさらです。
私は生徒さんにギターに触ることを習慣化するようにアドバイスしています。
習慣化することによってギターに触ることを継続できれば、練習時間も増えますし、その分上達もするのでギターへのモチベーションを保つことができます。
上手くいかない場合の対処方法
では次に上手くいかない場合の対処方法をお教えします。
レッスンを受ける
レッスンを受ければ今現在のあなたが伸び悩んでいる原因を探してくれるはずです。
間違った方法で練習していたり、難しすぎることに挑戦しているのであれば、それを指摘して正しい練習方法や課題を見つけてくれるでしょう。
また、あなたがこれからギターを始めようとしているのであれば、基礎から順を追って教えてくれるはずです。
また課題曲を好きなアーティストやギタリストから探して初心者でも弾ける曲を教えてくれるでしょう。
定期的にレッスンを受ける事で課題を出してもらえれば、練習時間も増えますし、練習して課題をクリアすればモチベーションも上がるでしょう。
特にマンツーマンレッスンを行っているスクールや教室をお勧めします。
私が講師を勤めていたシアーミュージックでは、生徒のレベルに合わせ、オーダーメイドのレッスンを行っています。たとえば、シアーミュージックだとこのようなメリットがあります。
- 曜日や時間帯、レッスンの回数に縛られずに学びたい
- 自分のレベルに合ったレッスンを受けたい
- 一度無料でレッスンを体験してみたい
- 無料で練習室を使いたい
- 音楽仲間がほしい
- 様々な楽器や歌のジャンルに挑戦したい
- オーディションや大会に出たい
- できればプロになりたい
生徒さんからもこのような声を頂いております。
現役で演奏活動をされている方が講師をされていたので、演奏法だけでなくステージでの振る舞いなども教えてもらえました。
練習ブースが狭いのが気になってしまいましたが、指導は丁寧でよかったです。
(校舎でのアンケートより)
独学に限界を感じて入会しました。先生が細かくフォームをチェックしてくださり、ほめてもらえるのでやる気が出ました。
男性の講師でしたが、ゆっくり丁寧に教えてくださるので非常に助かっています。レッスンはボイスレコーダーで録音させてもらえます。
(クラウドワークスでのアンケートより)
初回は無料レッスンもやっていますので、良かったら申し込んでみてください。
初心者向けの教材で基本から順を追って練習する
今はネットやYouTubeで色々なことを調べたり研究することができます。
それでも上手くいかないのであれば初心者向けの教則本を買って基礎から練習することをお勧めします。
特にDVDやCDが付属しているものがお勧めです。また教則本には初心者向けの曲が紹介されているので、その曲の中から課題曲を選ぶのも良いでしょう。
お勧めできるアコギの教則本とエレキの教則本をご紹介しておきます。
「アコギの教科書」(ヤマハミュージックメディア)
「DVD&CDでよくわかる! はじめてのエレキ・ギター」(ギター・マガジン)
練習時間を増やす
ギターに触ることを習慣化し練習時間を増やすために下記のことをお勧めします。
- 一日5分でもいいから毎日ギターに触る
- いつでも手に取れる場所にギターを置く
- 細い弦を張ってチューニングはしたままにする
3つ目の「チューニングはしたままにする」は楽器屋さんはお勧めしないと思いますが、手に取ってすぐに弾ける状態にすることはとても大切です。
ネック反りの対策としては、なるべく細い弦を張り、ボディでなくネックで支えるギタースタンドに置くことです。
私も使っている、ネックで固定するタイプのギタースタンドはこちらです。
まとめ
ここまで読んでいただきありがとうございます。
いかがでしたでしょう?
この記事では、ギターを始めて半年後に到達可能なレベル、上手くいかない場合の原因と対処方法をご紹介してきました。
もし、ギターを始めて半年たつけどうまくいかない、これからギターを始めようと思うがどう練習すればわからないという人はぜひ参考にしてみてください。
この記事を読んでくださった方が挫折することなくギターライフを楽しく送れるようお祈りしています。